コーヒー器具の世界に少しでも足を踏み入れた方なら、「コーノ式」という名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。円すい型ドリッパーの元祖として、半世紀近くにわたって愛され続けているこのドリッパーは、ネルドリップの深い味わいをペーパーで再現したいという理想から生まれました。
この記事では、コーノ式ドリッパーの魅力や3つのモデルの違い、HARIO V60との比較、そして実際の淹れ方のコツまで、コーヒー好きの目線で丁寧に解説していきます。
コーノ式ドリッパーとは
コーノ式ドリッパーは、1973年(昭和48年)に珈琲サイフオン株式会社(KONO)から発売された、日本生まれの円すい型ドリッパーです。当時主流だった台形型のドリッパーとはまったく異なる発想で、創業者の河野氏が「ネルドリップの味わいをペーパーで再現したい」という思いから開発しました。
特徴は大きく2つあります。
- 円すい型の1つ穴構造:お湯がドリッパーの中心に集まり、コーヒー粉とじっくり接触する時間が生まれる
- 下部のみに配置されたストレートリブ:抽出スピードをコントロールし、豆本来のコクと甘みを引き出す
この設計思想こそが、コーノ式が長年プロのバリスタや喫茶店から支持されてきた理由です。
コーノ式の3つのモデルを比較
コーノ式ドリッパーには代表的な3つのモデルがあります。リブ(内側の溝)の長さによって、抽出スピードや味わいが微妙に変わるのが面白いところです。
| モデル | 通称 | リブの長さ | 抽出スピード | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| MD | プロモデル | 短い(下部のみ) | じっくり | 上級者・コク重視 |
| MDN | 名門 | 中間 | ややじっくり | 中級者・バランス重視 |
| MDK | 名門K | 長め | やや速い | 初心者・スッキリ重視 |
初めてコーノ式を試すなら、扱いやすいMDK(名門K)から入る方も多いです。一方で、コーノ式の真骨頂である「重厚な味わい」を体験したいなら、MDやMDNがおすすめです。
容量は1〜2人用の「MDN-21」と、4人用の「MDN-41」があるので、家族で楽しむか1人でじっくり淹れるかによって選びましょう。
HARIO V60との違い
円すい型ドリッパーといえば、もうひとつ忘れてはいけないのがHARIO V60です。両者はよく比較されますが、実は設計思想が大きく異なります。
- HARIO V60:スパイラルリブが全面に施され、抽出スピードが速い。豆の個性をクリアに引き出す
- コーノ式:ストレートリブが下部のみ。じっくり抽出され、コクと甘みが乗りやすい
スッキリ・フルーティーな味わいを求めるならV60、深いコクや余韻を楽しみたいならコーノ式、というのが大まかな目安です。両方持っていて豆や気分で使い分けるという楽しみ方もあります。HARIO NETSHOPならV60本体だけでなくサーバーやフィルターなど周辺道具のラインナップも豊富なので、円すい型を一通り揃えて飲み比べたい方には便利です。
コーノ式のおいしい淹れ方
コーノ式の真価を発揮するには、淹れ方にもちょっとしたコツが必要です。
- 粉は中細挽き〜中挽き:細かすぎると目詰まりして抽出が遅くなりすぎます
- お湯の温度は85〜90度:中深煎り以上の豆なら少し低めが好相性
- 最初は中央に点滴抽出:30秒ほどかけて中心にポタポタとお湯を落とす
- 粉が膨らんだら円を徐々に広げる:ゆっくりと、お湯を切らさないように
- 総抽出時間は3分前後:急がずじっくり
このじっくり淹れるスタイルにぴったりなのが、温度と注湯量を細かくコントロールできる電気ケトルです。世界一バリスタ監修のEPEIOSのドリップケトルは、1度単位での温度設定や保温機能が付いていて、コーノ式の点滴抽出と相性抜群です。細口ノズルなのでお湯の出方も繊細にコントロールできます。
コーノ式に合うコーヒー豆
コーノ式は中深煎り〜深煎りの豆と特に相性が良いと言われます。じっくり抽出されることで、苦味の中にある甘みやコクが引き出されるからです。逆に浅煎りのフルーティーな豆を淹れると、酸味よりもボディの厚みが前に出てくる傾向があります。
豆選びに迷ったら、京都発のスペシャルティコーヒー定期便Kurasuを覗いてみてください。世界各国のロースターがセレクトされており、中深煎りの個性豊かな豆も多く扱っています。コーノ式の重厚な抽出スタイルと組み合わせれば、自宅でも喫茶店のような奥行きのある一杯が楽しめます。
揃えておきたい周辺道具
コーノ式を使いこなすには、ドリッパー単体だけでなく周辺道具も大切です。
- 細口ドリップケトル:点滴抽出には必須
- コーヒーサーバー:抽出量が見やすいガラス製がおすすめ
- 専用ペーパーフィルター:コーノ式は専用フィルターを使うのが基本
- 計量スプーン・スケール:再現性のある味づくりに
これらはHARIO NETSHOPでまとめて揃えられます。耐熱ガラスの老舗ブランドだけあって、サーバーやケトルの品質には定評があり、長く使える道具を一気に揃えたい方には便利です。
まとめ
コーノ式ドリッパーは、円すい型の元祖として、ネルドリップに近い深い味わいをペーパーで実現するという独自の哲学を持った道具です。MD・MDN・MDKの3モデルから自分のスタイルに合うものを選び、点滴抽出というじっくりした淹れ方を楽しめば、毎朝の一杯がぐっと特別なものになります。
HARIO V60と並んで、円すい型ドリッパーの二大巨頭。同じ円すいでも味わいの方向性が大きく違うので、両方を行き来することでコーヒーの世界がさらに広がるはずです。
